ジャパニーズホラー

【狗神】日本のホラー作品ならではの完成度!

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狗神

原作は坂東眞砂子による小説。さて、そのあらすじは・・・

四国の深い山奥の集落で、和紙を作りながらひっそりと暮らしている坊之宮美希(天海祐希)。そこに学校の教師として奴田原晃(ぬたはら・渡部篤郎)が赴任してくる。

最初は白髪が目立つ美希だったが、晃がやってきてからどんどん若返っていく。

晃が現れてから人間関係が複雑に入り組合、狗神筋として村人たちから阻害されてきた坊之宮家の秘密と、おぞましい過去が明らかになっていく・・・というストーリー。

狗神を観た感想

狗神

原作者の坂東眞砂子さんは四国出身で、「死国」などの作品で知られる作家さんですが、その原作に漂う得も言えぬ雰囲気の怖さは、当作品でも再現できていたような気がします。

深い山あいの村、古い日本家屋、家の中の調度品など、そこだけ大正~昭和初期の景色を切り取ったかのようで、こういう風景を見るだけで「ほのかな怖さ」を感じてしまいましたね。

田舎の閉鎖された集落の陰湿な感じや、どろどろの人間関係なども描かれていてヨカッタのですが、ただひとつ引っかかったのは「これ2001年の話だよね?」ということです。

作品の根幹に関わる話なので、ネタバレ欄で後述しますが、設定を昭和初期とかにしてくれていたらもっとリアルだったと思います。

ただ、そこはかとない恐怖感は確かに感じることができます。これはおそらく、私が子供の頃にみた横溝正史作品が刷り込まれているというのもあるかもしれません。

「狗神」というタイトルが「犬神家の一族」となんとなく重なってしなうあたりも、心の奥底にある恐怖心を思い起こさせるんでしょうね。

原田遊人さんのキャスティングはバターなのかも?

冒頭のシーンから深い山奥で起きた物語だというイメージ付けがされて、これから始まる出来事への期待感が高まっていきます。

しかしながら、土居誠二を演じた原田遊人さんの滑舌が悪く、セリフがよく聞き取れなかったのが残念です。

四国の方言を話しているということもあるんですけど、もう少しはっきりと発音して欲しかったですね。重要な事柄がセリフの中に隠されているはずなのですが、肝心のセリフがわからなければ内容も完璧に理解できないですからね。

この原田遊人さんは監督の原田眞人さんの息子さんということで、「無理やりキャスティングしたな」という雰囲気もあって、ちょっとゲンナリでした。

ただ、坊之宮隆直の山路和弘さんとか、老人役の浜田寅彦さんとか、坊之宮富枝の藤村志保さん、土居克子の淡路恵子さんなど、かなりいい感じの俳優さんを起用していて、そこは安心して見ることが出来ました。

やはり実力派の俳優さんが揃うと見応えがありますね。

狗神は4つのセクションから成る物語

「狗神」は大きく4つのセクションから成り立っています。

  • 尾峰
  • 七草
  • 谷神
  • 狗神
  • 不死

これはそれぞれストーリーをわかりやすくするには成功していて、非常にうまい構成だなと思いました。あとから作品を思い出すときも各セクションをきっかけにすれば、明確に思い出せるというメリットもありますしね。

狗神の出演女優

まず、ヌードシーンがいくつかあって、キャッチコピーの、

とてつもなく恐ろしく、エロティックな禁断。

というものは嘘偽りではないなと感じました。

ただ、主演の天海祐希さんの濡れ場があり、かなりの露出をしているにもかかわらずバストトップは画像処理されて見えないという違和感。

狗神・天海祐希

坊之宮理香役の渡瀬美遊さんは結構な長い時間バストをさらけ出していましたし、美希の少女時代を演じた田中沙斗子さんはヌードだけでなく、かなり激しい絡みを見せていました。

坊之宮園子役の街田しおんさんも死体ヌードだけでなく、夫の坊之宮隆直(山路和弘)に股間を弄られながら身悶えるシーンまで披露していたのに、なぜ天海祐希さんは裸を隠す必要があったのかって話です。

太ももちらシーンとかもありましたが、やはりひとりだけオールヌードになってもバストトップを見せないというのは、女優魂としてどうなのか?という疑問が残りましたね。

あと、全く気づかなかったんですけど、石山ヒデという看護婦役をしていたのは冨樫真さんで、この女優さんは「恋の罪」の美津子役をしていた人なんですね。

女優さんって其の役によって全く雰囲気がかわるのですごいな~と再認識しました。

ひとりだけ確認がとれなかったのが、近内仁子(こんないじんこ)さんなんです。坊之宮喜代美役ということなんですけど、最後のシーンで松明を持っているのがご本人なんでしょうか?

いろいろ調べてみたのですがわかりませんでした。

妊婦が増田未亜さんだということがあとからわかって、そのシーンだけ再生してしまったことは内緒です(笑)

狗神のネタバレはこちらから

狗神

坊之宮一族のおぞましい血はかなりエグイものがあります。

いきなりネタバレしてしまいますが、高校生の美希が体を重ねていたのは実の兄の隆直だったということ。(ただし本人同士は兄妹だとは知らなかった)

そして二人の子が晃だったということ。

自分の息子と体を重ね続けたという事実は、当人同士が知らなかったとはいえ、さすがにゾっとしましたね。

美希は実の兄と自分の息子と交わっていたわけですから!

美希は自分の母親(坊之宮富枝・藤村志保)と会話していますが、実は1年前にすでに母親は死んでいて・・・という部分もホラーの定番ながら、密かな怖さを感じさせます。

狗神の実像がどんなものかということは最後までわかりませんでしたが、

「死んだ母親の霊媒が狗神筋」

このセリフによって狗神の説明がなされたと考えるわけにはいかないんですよね。

というのも、村長が晃と美希を銃で撃つときに現れた、「目に見えない何か」は何だったんだ?という話になりますから。

そうそう、「これ2001年の話だよね?」と思ったと先述しましたが、それは、この現代に狗神筋というだけで村八分にしたり、集団自殺しようとしているのを見逃したりする描写に違和感を感じたからでした。

いくら田舎の山奥の村の話とはいえ、大きな小学校も出てきますし、世間から隔離された場所の話ではないですからね。

なので、パソコンの変なシーンも不要ですし、いっそのことテレビも無い時代という設定にしたほうが臨場感があったのにな~と感じたのです。

狗神作品内に登場する言い伝えについて

狗神

坊之宮家の行なう先祖祭りでうたう歌の歌詞、

「血と血とを混ぜらせて先祖の姿蘇らん」

これは晃の子を美希が身ごもったということを指します。

そして、ぬえという怪物の逸話も良く出来ています。

鵺(ぬえ)は大昔に退治されて体をばらばらにされて、その体の各部位を別々の土地に捨てられ、そこに住まう人の先祖になったということも。

  • 頭:猿神筋
  • 胴:狸神筋
  • しっぽ:蛇神筋
  • 手足:狗神筋

動物憑きという設定はよくありますが、鵺の各部位が人間になったという設定ははじめてで、これはなかなか興味深い話でしたね。

坊之宮家は平家の落人が先祖というセリフもありますが、その落人が鵺と契約を結んだということも考えられますね。

蛇足になりますが、ロケ地は静岡三島の玉沢妙法華寺や岐阜県だそうです。冒頭のシーンで登場する川はてっきり四万十川だと信じていたのですが、どうやらこれも違うのかもしれません。

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