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【ヒミズ】ほとばしるような若さのエネルギーを感じられる作品

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ヒミズ

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古谷実原作のマンガを園子温監督が映画化。さて、そのあらすじは・・・

東日本大震災後の街。川沿いで貸しボート屋を営む家の一人息子である住田祐一(染谷将太)は、15歳の中学生。家庭環境の影響もあって、ときどき奇特な発言を発するため、クラスでは浮いた存在である。

ところが、そんな彼の言葉に感動し、数々の「住田語録」を紙に書き記し、自宅の部屋の壁に貼りまくっているのが、クラスメイトの茶沢景子(二階堂ふみ)だった。

住田は普通の暮らしを求めているのだが、置かれている環境がそうはさせてくれない。

ある日、家をずっと空けていた父親(光石研)が金の無心に現れる。反抗的な態度をとる住田を殴りつける父は、また来ると言い残し去っていく。

別の男を作っている母(渡辺真起子)は、父と顔を合わすことを嫌い、その男、てつ(モト冬樹)のところに出かけていく。

数日後のことだった。ヤクザの金貸し、「金子ローン」から600万を借り、姿を消した住田の父を探しに、ボート屋に現れる金子(でんでん)と組員の谷村(村上淳)。彼らは住田を殴りつけ、600万の返済をせまる。

そして、母親も、わずかな金と「がんばってね」という書き置きを残し、住田を捨てて出て行ってしまった。

ほとぼりがさめたころ、またしても金の無心に現れた父を、住田はコンクリートブロックで殴りつけ殺してしまった。死体を埋め、「おまけの人生」を、人の役に立つために使おうと考えた彼は、街の悪人たちを始末していくことを決心する・・・というストーリー。2011年GAGA作品。2時間10分。

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ヒミズを見た感想

ヒミズ

園子温監督の映画作品は「恋の罪」「冷たい熱帯魚」「愛のむきだし」「地獄でなぜ悪い」「TOKYO TRIBE」など見ましたが、この作品もその例に漏れず、見終わったあとのぐったり感は半端じゃなかったです。

ただ、先述のほかの作品と違うのは、エロもグロもないということでしょうか。

見ているうちに、精神的にどんどん深みにはまっていくという部分は同じなんですが、主人公が15歳ということ、そして、住田も茶沢も、親からの虐待を受けていて、しかも「いらない子供」とされている部分が、なんとも言えない重たいものを位の奥底にもたらしてくるのです。

住田を演じた染谷将太さんは、「みんな!エスパーだよ!」でのお馬鹿な学生のキャラとは全く違う中学生を演じていましたが、彼の根底に流れる「狂気」というものは共通していると感じました。

この作品には、「園子温組」とも言える、おなじみの俳優陣が総出演しているわけですが、ひとくせもふたくせもあるベテラン個性派俳優たちに混じっても、圧倒的な存在感を放っていた染谷将太という俳優の、得体のしれないエネルギーが際立っていたんですね。

「俺はたまたまクズのメスとオスの間に生まれただけだ。だがな、俺はおめえらみたいなクズじゃないんだ。見てろ、俺の未来はだれにも変えられねえんだ」

このセリフが臭くも軽くもならずに、その口から発することが出来る、数少ない若手俳優だと思います。

この作品は、モーツァルトの「レクイエム」、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」がバックに流れるという重苦しいもので、生きていくということが試練であるということを、見ている側にこれでもかというほど投げかけてきます。

しかしながら、そこには確かに希望も残っているんだということも、伝えようとしてくれています。

最初、茶沢が諳んじていたヴィヨンの詩の「軽口のバラード」の一節を、住田も覚えることになります。

牛乳の中にいる蝿、その白黒はよくわかる
どんな人かは、着ているものでわかる
天気が良いか悪いかもわかる
林檎の木を見ればどんな林檎だかわかる
樹脂を見れば木がわかる
皆がみな同じであれば、よくわかる
働き者か怠け者かもわかる
何だってわかる、自分以外のことなら

この詩が、住田と茶沢の心に響いてやまないのは、自分が何者なのか、その存在意義が何かを必死で探しているからなんでしょう。

作品の中で、路上ライブを見ている観客を包丁で襲う男が取り押さえられた時、「俺は誰なんだ?」と何度も叫んでいましたが、それを見た住田の心には、どんな気持ちが沸き起こったんでしょうか?

自分が何者かわからないからといって、他人を傷つけることは正しいのか?自分もあの男のようになってしまわないか?

何度も何度も自問自答したはずです。

この作品は、一度見ただけでは、きっと理解できないことが多すぎるような気がします。

かと言って、すぐに2回めをみるのにはエネルギーが不足しているので、数カ月後に体力をつけてから、再び見ようと思っています。

主役のふたり・・・染谷将太さんと二階堂ふみさんは、第68回ヴェネツィア国際映画祭で、マルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞しているのですが、まさに大きな賞にふさわしい素晴らしい演技でした。

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ヒミズの主演女優

ヒミズ・二階堂ふみ

住田の母を演じた渡辺真起子さん、茶沢の母を演じた黒沢あすかさん、スリのテル彦(窪塚洋介)の彼女ミキを演じた吉高由里子さんなど、実力派女優が出演するなか、もうひとりの主役、茶沢景子を演じた二階堂ふみさんの、ピュアで変な女の子を作り上げた能力はすごいものがありました。

二階堂ふみさんは、どこか影のある部分と、凄まじく純粋な部分を共存させている稀有な女優さんだと思います。

大河ドラマ「軍師 黒田官兵衛」で、茶々を演じていますが、「心の内側を読み取れない」というしぐさをさせたら、若手でもナンバーワンではないでしょか。

そして、どうでもいい話をひとつ。

死体役で登場した麻美(ami)さんのことは、最初、今宿麻美さんかと勘違いしていました。

今宿麻美さんはかなり好きなので、その黒い下着姿に「おぉ!」と盛り上がったのですが、違っていたことで、テンションが若干下がりました。

いっそのこと、次回の園子温作品では、今宿麻美さんを登場させてくれれば嬉しいなと思ってしまったのでした。

あと、こういう場面を体当たりで演じた女優さんもいます。

ヒミズ・今村美乃

今村美乃さんという女優さんなんですけど、ただただ「すごい女優魂!」と感じました。ドモホルンリンクルのCMに出演しているときとは、全くの別人に見えるあたりは、さすが女優ですよね。

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ヒミズのネタバレ

この作品に限っては、ストーリーを追いかけて、ネタバレを書いていくのには向いていない内容だと考えています。

内容は特に複雑とは言えないシンプルなものなので、あらすじにいくつかの細かい説明を加えれば、ネタバレとして成り立つのですが、作品を見ずにして、ストーリーの中身だけを知っても、全く意味が無いと思うのです。

もちろん、他の作品にも同じことが言えるわけですが、この作品は特に、画面から伝わる圧倒的なエネルギーを、文字にして説明しきれないのです。

とにかく、「とりあえず、予習をせずに見ろ!」と言いたいです。

そして、自分がどう感じるのかを、自分自身に問いかけてほしいと思います。

前半はちょっとだるい展開かもしれませんけど、中盤以降の圧倒的な熱量には、きっと何かを感じるはずですよ。

ちなみに、「ヒミズ」とは「もぐら」のことだそうです。

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