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【解夏】視力を失っていく男性を大沢たかおが好演

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解夏

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さだまさしによる短編小説集の表題作を、磯村一路監督が映画化。さて、そのあらすじは・・・

小学校の教師をしている高野隆之(大沢たかお)は、徐々に視力を失っていくベーチェット病を発症し、教師をやめ実家のある長崎に帰る準備をはじめる。

仕事でモンゴルにいる恋人の朝村陽子(石田ゆり子)に心配をかけたくないという思いから、病気のことは内緒にしていたのだが、隆之の恩師で陽子の父親である朝村健吉(林隆三)からの連絡を受け、モンゴルから急遽帰国する陽子。

長崎に戻った隆之の元を訪れ、実家で母親と3人で同居を始める陽子。そして、少しづつ隆之の視力は失われていき・・・というストーリー。2004年の作品。1時間54分。

主演の大沢たかおは日本アカデミー賞主演男優賞受賞。

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解夏を見た感想

解夏

ベーチェット病という聞きなれない病気が作品の中心になっているわけですが、詳しい説明はベーチェット病患者の黒田寿夫(柄本明)と、隆之の同級生で眼科医の清水博信(古田新太)が語る内容で、おおよその概略はつかめるようになっています。

・眼球のぶどう膜に炎症がおきる
・原因不明
・口内炎や、下半身のあちこちに湿疹のひどく膿んだようなものがでる
・失明するまでの期間はまちまち
・目に激痛がおきて、倒れこみ立ち上がったら見えなくなっていた人も、10年近くかかって失明した人もいる
・男性に多い病気
・痛みがある人もない人もいる
・失明しない人もいる
・眼の奥に炎症がでるタイプの場合は薬があまり効かない

こう考えると、何かのウイルスや免疫力の低下が関係しているようですが、それも原因不明ということで詳しいことはわかっていないようです。

そして、印象的だった黒田寿夫のセリフに「失明は暗闇になるんではなく、乳白色の霧の中にいると思えば良い」というものがあります。

確かに、健常者の私からすれば、失明というのは全てが闇に閉ざされるイメージがあるのですが、「暗闇も黒い色を見ていたんだ」という言葉で、今までのイメージが払拭されました。

だからといって、何の気休めになるわけではないですが、失明のメカニズムを研究している学者さんたちにとっては、何かのヒントになるかもしれません。

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解夏の出演女優

なんといっても、隆之の恋人朝村陽子を演じた石田ゆり子さんが、美しかったですね。

ちょっと勝ち気な部分、プライドが高い部分、でも隆之への愛が深く、何よりもそれを優先させてる一途さが素晴らしかったです。

最も印象的だったシーンは、雨の降りしきる中、歩きづらそうにしている隆之をフォローしようとして手を貸そうとした時、「もう、ほっといてくれ」と、その手を振り払われ、呆然と立ちすくむシーンですね。

解夏・石田ゆり子

誰かに助けてもらわなければ歩くことさえ出来ない自分のみじめさから、こういう態度をとってしまった隆之ですが、陽子にしてみれば彼のプライドを自分が傷つけてしまったと捉えたんでしょう。そのまま長崎を離れて東京へ戻ってしまうのです。

愛する隆之のそばで、「隆之の目になりたい」と思う気持ちと、それが彼を苦しめているという気持ちの板挟みで辛かったでしょうね。

そして、そういう陽子の気持ちを汲んであげた隆之の母親、高野聡子(富司純子)の存在も大きかったと思います。

陽子の気持ちを考えるように、隆之を叱りつける聡子。

お上品でお嬢様育ちの雰囲気を持つ富司純子さんは、この母親役はかなりのはまり役だったと思います。九州の女性のしんの強さや心根の優しさが、すごく伝わってくる良い演技でした。

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解夏のロケ地と長崎に関する話題

解夏のロケ地

視力を失っていく男性と、それを支える彼女と母親という設定だけでは物語は成立しにくいのは間違いなく、そこに長崎の観光名所めぐりや仏教の逸話、長崎の童歌を入れ込むことで、トータル的に長崎の良さをアピール出来る作品に仕上がったと思います。

例えばロケ地。

坂の町長崎らしく、「へいふり坂・ドンドン坂・オランダ坂・祈念坂」などが登場します。

そして神社仏閣も、「興福寺・諏訪神社・若宮稲荷神社・出津教会(しつきょうかい)」など。めがね橋ならぬ、「中島川の編笠橋」もロケ地のひとつになっていますね。

あと、長崎ちゃんぽんの有名店、長崎新地中華街の江山楼も登場しますし、市電が走っているシーンや海から見える稲佐山(船で来るものには山に見えない)や英彦山(ひこさん/長崎の山といえばこの山)なども。

そしてロケ地だけでなく、テレビコマーシャルで使用された方言を使った童歌(わらべうた)も。

でんでらりゅうの歌

♪でんでらりゅうば でてくるばってん でんでられんけん でーてこんけん こんこられんけん こられられんけん こーんこん

この意味は、

「出ようとして出られるならば、出て行くけれど、出ようとしても出られないから、出て行かないからね。行こうとしても行けないから、行くことはできないから、行かない、行かない。」

ということだそうです。母の聡子の心情を表した歌としても、効果的に使われていましたね。

「解夏」という言葉の意味

さて、肝心の「解夏~げげ~」というタイトルの意味なのですが、こちらも林茂太郎(松村達雄)という大学教授が聖福寺で隆之たちに聞かせた話の中で説明がなされています。

昔、修行僧は歩いて説法してまた歩いたのだが、お釈迦さんが雨季には歩くなとおっしゃった。
それは、インドの雨季は生命誕生の期間なので、歩きまわると生物の卵などを踏みつけてしまうから。
なので、雨季の約90日間は共同生活で座禅しながら過ごす安居(あんご)という風習が生まれた。
このときに皆が集まった囲炉裏が寺のはじまり。
安居の始まり:陰暦4月16日=結夏(けつげ)
安居の終わり:陰暦7月15日=解夏(げげ)

そして、隆之は「失明するという行だ」と教授。

「せつなく苦しい行。失明した瞬間に恐怖から解放される、そのときがあなたの解夏です。」

とも。

陽子に「もう、ほっておいてくれ」と告げた隆之は、この教授の「人が最後にみておきたいものはなんでしょうかな?」という言葉に背中を押されて東京に向かいます。

以前、陽子が行っていた。神宮の絵画館に長崎の景色を描いた絵があるという、その場所に。

そして絵を眺めたあと外にでると、陽子がいるのを見つけ「僕の目になってほしいんだ」と、告白します。

長崎に戻ったふたりは、興福寺の「百日紅」と書くけど白いさるすべりを見に行きますが、隆之の目はもう見えなくなっているのです。

最後に隆之が見たものは、愛する陽子の笑顔と泣き顔が混ざり合った顔だったのでした。

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