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【舟を編む】辞書の編纂がこんなに面白いものだとは!

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舟を編む

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三浦しをん原作小説を、石井裕也監督が映画化。さて、そのあらすじは・・・

他人とのコミュニケーションが苦手な馬締光也(松田龍平)は、玄武書房の営業部で働いている。

玄武書房の辞書編集部では、荒木公平(小林薫)の定年退職によって、「大渡海」という辞書を制作する人材の補充が急務となっている。

荒木は、自分に変わる人材を見つけるため、社内を探すのだが、なかなか適任が見つからない。

そんなとき、同じ辞書編集部で働く西岡正志(オダギリジョー)が、彼女である三好麗美(池脇千鶴)から、馬締光也のことを紹介される。

大学院で言語学を専攻していた馬締光也の言葉のセンスは、荒木の目に止まり、営業部から辞書編集部へと移動することになった。

今までにない辞書を作り上げるために、馬締光也たちは長きに渡って奮闘してく・・・というストーリー。2013年松竹/アスミック・エース配給作品。

  • 第37回日本アカデミー賞:最優秀作品賞など6部門の最優秀賞受賞。
  • 第68回毎日映画コンクール日本映画大賞受賞。
  • 第38回報知映画賞作品賞受賞。
  • 第26回日刊スポーツ映画大賞作品賞受賞。

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舟を編むを見た感想

舟を編む
邦画の醍醐味が凝縮されたような作品でした。

ここ数年の日本の映画というのは、愛する人が死ぬとか、死んだ人がいっときだけ生き返るとか、そんな内容の作品が多いような気がして、どうも馴染めなかったんですよね。

もちろん、「テルマエロマエ」などのような、非常に秀逸な作品もありましたが。

この「舟を編む」という映画は、本当にシンプルなストーリーで、特に何がどうということはないんですが、日本人ならではの「我慢強さ」「忍耐強さ」「継続する能力」などがうまく表現されていて、そこに不器用な男女の恋愛や、分かり合える同僚との仕事などが入り混じって、一般社会に暮らす大人が共感し、納得出来るものに仕上がっていたと思います。

子供が見て面白い映画ではないですが、大人が見ると確実にジワ~と心が温かくなっていく内容なのは間違いありません。

主役の馬締光也を演じた松田龍平さんも、妖艶な役柄や、不気味な役柄のイメージを完璧に払拭して、ヘンコで無口だけど信頼のおける男性を見事に演じきっています。

「リバースエッジ 大川端探偵社」で見せる顔とはまったく違っていて、さすが素晴らしい俳優さんだな~と、改めて感心した次第です。

数々の映画賞を総なめにしていますが、それも納得の完成度で、こういう映画が作られるのなら、邦画の未来は明るいなと感じました。

出来ることなら、こういった大人が楽しめる作品を、オリジナルストーリーで生み出すことが出来るなら、映画界ももっと素晴らしいんですけどね。

ただ、ひとつの職業を描き出す映画というのは、今後の邦画にとってはひとつの柱になるかもしれません。

知っているようで知らない世界を、こうやってスクリーンで見せてくれれば、製造業・サービス業で世界的評価を得ている日本を、もっと好きになりそうです。

チョイ役で、大渡海の表紙デザイナーとして、ピースの又吉直樹さんが出演していたんですけど、太宰治の大ファンで読書家の彼が、こうやって出版社の映画に出演しているというのは、キャスティングした人のセンスを感じましたね。

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舟を編むの主演女優

舟を編む・宮崎あおい

出演女優の中で、メインキャストということで言えば、馬締光也の妻、香具矢を演じた宮﨑あおいさんということになるでしょうか。

当作品では女性の板前という役どころでしたが、その仕事着もステキでした。

他にも、玄武書房の馬締の同僚である佐々木薫(伊佐山ひろ子)、岸辺みどり(黒木華)なども好演でしたが、一番ヨカッタのはこの三人ではないんですよね。

最終的に西岡と結婚することになる、三好麗美を演じた池脇千鶴さんが、ものすごくいい感じの女性を演じていて、さすがこの人は演技力がすごいな~と感心したわけです。

10代の頃は、小動物系だったのに、今は「体だけの関係を続ける女性」までも演じることができるようになって、しかも、それがまた抜群にいいオンナっていう・・・。

今回の作品では、メイクや服装が1995年当時のものだったので、池脇千鶴さんの可愛らしさが半減してたかな?という印象でしたが、それでも、可愛いことに変わりなかったです。

あと、大渡海の販促ポスターに起用されているのが麻生久美子さんで、ポスターだけの登場だったにもかかわらず、非常に印象的でしたよ。

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舟を編むのネタバレ

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時は1995年。玄武書房に務める馬締光也は、早雲荘という昔ながらの下宿屋で、家主のタケばあちゃん(渡辺美佐子)と二人きりで住んでいる。

そして、そこには圧倒的な数の書籍が保管されており、馬締はその本を好きなように読むことができる環境にあるのだった。

ある日、「大渡海」という辞書を作る辞書編集部に移動となった馬締。そこでは、編纂の責任者、松本朋佑(加藤剛)先生を中心に、荒木公平、西岡正志、佐々木薫という少人数で仕事が進められていた。

馬締は、彼らから教えられ、辞書を作るための作業の流れを知ることになる。その作業工程とは、

  1. 用例最終(言葉集め)
  2. カード選別・見出し語選定
  3. 語釈執筆
  4. レイアウト
  5. 校正(第5校まで)

というものだった。

「大渡海」のコンテンツカラーは、他の辞書には載っていない、どんな言葉を選ぶかで決定するという。そして、辞書の完成までは長い月日が必要だとも。三省堂の「大辞林」は、完成まで、実に28年もかかっているのだ。

ありとあらゆる場面で言葉を集めていく馬締たち。松本先生にいたっては、そのために合コンにまで参加し、若者言葉の収集を行っている。

荒木が定年退職し、彼が愛用していた袖カバーを受け継ぐ馬締。日々、もくもくと作業を続けるなかで、下宿にタケばあちゃんの孫だという女性が現れる。彼女は林香具矢という名前で、今まで京都で板前修業していたのだが、タケばあちゃんが高齢のため、早雲荘に一緒に住むことになったのだ。

馬締は林香具矢に一目惚れし、西岡のアドバイスによって、思いを伝えるためにラブレターを書くことにした。ところが、そのラブレターは、昔の武士が書いたような和紙を織り込んだもので、しかも筆で達筆という、およそ現代風ではないものだった。

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西岡はその「恋文」というようなラブレターを見て、「逆に彼女の気持ちを確かめることが出来るかもしれない。中身を知りたければ、努力して読むだろうし」と馬締に話した。

少しづつ西岡との距離が縮まり、同僚としての信頼関係が構築されてきた頃、西岡の転属が決まる。実は、村越局長は利益のでない辞書を発行するのには反対で、大渡海の発売が中止にしかけていたのを、西岡が局長を説得して継続させたのだが、その継続のための条件は、西岡か馬締の転属なのだった。

そして、ある夜、馬締は香具矢にラブレターを渡した。後日、その返事をもらうため、香具矢の帰りを玄関先で正座して待つ馬締。

帰宅した香具矢は、馬締に怒ったような口調で文句を言う。それは、達筆すぎて自分では読めなかったため、勤め先の割烹の大将に読んでもらったことによる怒りだった。

少なくとも、自分に気持ちを打ち明けてくれている内容の手紙を、誰かに読んでもらうなんていうことの恥ずかしさを、馬締に伝えたかったのだ。

そして香具矢は、手紙ではなく言葉で馬締の気持ちを伝えてほしいとお願いする。たった一言「好きだ」と言う馬締に対し、「私も」と答える香具矢。

その経験をもとに、「恋」という言葉の語釈を馬締が担当し、その内容は下記のようなものになった。

恋:ある人を好きになってしまい、寝ても冷めてもその人が頭から離れず、他のことが手につかなくなり、身悶えしたくなるような心の状態。成就すれば、天にものぼる気持ちになる。

また、現代語の語釈の一部は、若者言葉に詳しい西岡に依頼することになった。

馬締は西岡と一緒に帰宅している途中、社内ではその交際を秘密にしている、西岡の彼女の三好麗美を自分の下宿に誘い、三人で一緒に酒を酌み交わした。

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酔っ払った西岡は、馬締に「大渡海は西岡さんがいるからこそ、継続できているのです」と言われ感動して涙を流す。そして、その場で泣きながら三好麗美にプロポースしたのだった。

12年後の2008年。タケばあちゃんはすでに亡くなり、「月の裏」という割烹店を開店している香具矢と結婚した馬締は、早雲荘で一緒に暮らしている。そして会社では主任になっていた。

辞書編集部には、ファッション雑誌の部署から岸辺みどり(黒木華)が転属してきた。最初は馴染めなかった彼女も、少しづつ辞書編集部の一員らしくなっていく。

大渡海の完成も少しづつ近づいてきており、馬締は用紙の選定に入っていた。

業者が提案してきた用紙を確認し、「もっと滑り感がいる」と答える馬締。指のハラだけでページがめくれる、そんな用紙をつくり上げるように依頼する。辞書はその内容だけでなく、一枚づつめくれるという機能性も必要なのだ。

1年後の2009年。ついに大渡海の発売日が2010年3月に決定した。ところが、最後の追い込みをしているときに、抜けている言葉が出てきた。

発売日はずらせないという状況の中、バイトたちも総動員で泊まりがけ作業を行い、なんとか発売に間に合うペースを取り戻すことが出来た。

松本先生が、食道がんで、大渡海完成前に死去。発行記念パーティーの会場の片隅には、松本先生の写真も飾られていた。

そして、先生が遺した荒木あての手紙には、馬締たちへの感謝の言葉とともに、「天国で用例最終するつもりです」という言葉が残されていたのだった。

大渡海は発行までに15年の歳月がかかった。そして、馬締たちは発売翌日から改訂作業にはいるのだった。

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