
大場つぐみ・小畑健のコミックをアニメ化。さて、そのあらすじは・・・
ある日、死神界の退屈さにいやけを感じた死神リュークは、1冊のデスノートを地上へと落とした。そしてそれを拾ったのが全国模試1位の秀才「夜神月(やがみらいと)」だった。
彼はデスノートに書かれた使用説明文を読み、半信半疑ながらそれを実践することにした。その力が本物だと確信した彼は、世の中に存在する犯罪者を抹殺し理想の世界を作ろうと考える。
夜神月の行いは世間に知られていき、いつしか彼は「キラ」と呼ばれるようになっていた。もちろんキラの正体が夜神月だとはばれていない。
一方、警察では次々と死んでいく凶悪な犯罪者を見て、なんらかの方法で殺人を行っているものがいると確定し、ICPOから派遣された謎の名探偵L(エル)に事件解決の指揮をとってもらうこととなった。
DEATH NOTE ~デスノート~を観た感想
親戚のJCで2次元~2.5次元にハマっている女の子がいて、その子から「有名どころのアニメ作品を見ておくように」というミッションが出されたんです。
私自身はもともと、早稲田のアニメ研究会が作成した「カリオストロの城」の考察本を取り寄せるようなタイプだったので、このミッションを喜々として実行しています。笑
そのリストの中に入っていたのが当作品なんですね。
原作マンガも映画もドラマも何も見ていない状態だったのですが、大ヒットするだけのことはあるな~と感心してしまうほど、その面白さにはまってしまいました。最終話を見終わったあと、極上のサスペンス小説を読み終わったかのような感覚になったんです。
アニメの構成も素晴らしかったのでしょうけど、間延びすることなく、つぎからつぎへと「これしかない」という展開になっていって、こちらの心理を見透かしているかのような流れには、ただただ驚愕するばかりでしたね。
原作を担当している大場つぐみさんは、心理学をしっかり学んでいるのではないでしょうか?
ライトとエルという天才同士の心理の読み合い、騙し合いは非常に興味深いものでしたし、そのすべての行動は、後から納得の行く説明がなされました。
2流の作品は登場人物の行動分析を行わずに、なんとなく話しを進めてしまうことが多いですが、そういった点からもデスノートは一流作品だといえるかもしれません。
それにしてもこの作家のコンビはすごいですね。デスノート以外にも、
- ヒカルの碁
- バクマン
という全くカラーの違う作品を、どれも大ヒットさせ社会現象を巻き起こすまでに至った才能というのは、凄まじい物があると思います。
今後もこの2人のコンビ作品はしっかりチェックしていきたいと思います。
DEATH NOTE ~デスノート~のネタバレ
人間界に同時期に2冊のデスノートが存在するという偶然は、過去に何度かあったのかもしれませんが、このノートをライトほど計画的かつ慎重に使えた人間はほとんどいなかったような気がします。
実際に弥海砂(ミサミサ)はキラのやり方を見本としていたわけですし、それが完璧ではなかったとはいえ、自分ひとりの考えではあそこまでうまくデスノートを使いこなせなかったのではないでしょうか。
さらに、頭脳明晰ということでは上位属性の弁護士である魅上照をもコントロールしていることから考えても、夜神月の思考力は卓越していたと考えられます。
この作品にはいろいろと不幸な人物が登場しますが、一番かわいそうなのは、ライトの母親なのは間違いないでしょう。
夫は亡くなり、娘は廃人のようになり、息子もキラとして死亡。一人取り残された母親は此の先どうやって生きていくのかと心配になります。
ライトが死んでから、ミサミサも自殺を図るような描写もありましたし、「キラ事件以降」の世界がどのようになっていったのかがかなり気になりますね。
凶悪犯罪を起こしても死なないものが現れ、それが増えていくにつれ再びキラ登場以前のような犯罪が日常化している日々に戻ったのは間違いないでしょう。
そして、警察のありかたや犯罪者に対する司法判断も変化が起きて行ったと考えられます。
死神からすれば、人間の命を奪うことは自分の命を永らえるためのものでしかないのかもしれませんが、寿命あるものがその生命を精一杯生きていないことは不思議に思っているかもしれませんね。
まぁ、リューク以外にそう考えている死神がどれだけいるのかは疑問ですが。